事業所からリサイクル
事業所での古紙回収のポイント
事業所にて古紙回収を実施するには①現状調査、②計画、③実行、④点検・改善が必要です。
1. 現状調査
どのような種類の古紙が、どのくらい発生しているのかを調べます。
また、どのように処理されているかを確認します。
2. 計画
古紙の引取先、分別区分、回収容器、保管期間などを決めて、古紙回収の仕組みを社内掲示などで従業員に周知します。
古紙の引取先
自治体、古紙業者、資源回収業者、廃棄物収集業者などがあります。
リサイクル業者検索機能を利用、あるいは自治体に問い合わせて情報を集めましょう。
分別区分
自治体が回収する場合は自治体の分別区分、古紙業者などが回収する場合は、古紙の排出量に見合った区分を考えましょう。
回収容器
事業所では古紙の分別回収容器が比較的普及しているようです。
従業員の注意を引くような色やデザインの回収容器の使用は、リサイクル意識を持続させるために効果的です。
古紙の保管期間
自治体の資源回収を利用する場合は、自治体の回収日までの保管になります。古紙業者などを利用する場合は、回収頻度が取り決めの1つになります。
3. 実行
分別や異物の混入状況をチェックして、回収量を記録します。
常時適切なPRや掲示を通じて、従業員へ周知していくことは取り組みを定着させるために重要です。
分別や異物の除去が徹底されるまで繰り返し説明します。
4. 点検・改善
問題点がないか定期的に確認し、改善していきます。チェックするポイントは以下の通りです。
- 古紙が種類ごとに分別されているか確認
- 異物の混入状況を引取先などに聞いたりして確認
- 回収容器のサイズや設置場所が適切かどうかを従業員に聞いて確認
- 回収されるまでの保管期間が適切かどうか確認
事業所から発生する古紙の種類
事業所から発生する古紙は、新聞、段ボール、雑誌、オフィスペーパーなどの一般古紙と機密文書があります。
オフィスペーパーと機密文書については以下をご覧ください。
オフィスペーパー
事業所で不要となったコピー用紙、チラシ、名刺、封筒、包装紙、紙袋などです。オフィスペーパーの回収では、リサイクルできない紙類と異物の混入が多いので、特に注意が必要です。
- 使用済みのコピー用紙
- 名刺
- 封筒
- はがき
- ノート
- メモ用紙・紙製ファイル
- チラシ
- ダイレクトメール
- カレンダー
- ポスター
- 包装紙
- 紙袋
- ティッシュなどの紙箱
- 台紙
- トイレットペーパーの芯
- ちぎった紙や丸めた紙
機密文書
機密性のある文書には、帳簿、伝票、個人情報、人事情報、顧客情報、図面、給与関係書類、契約書などがあります。
機密文書は機密文書処理会社を通じて製紙原料などとして利用されます。主要な処理システムとしては、出張裁断、破砕、直接溶解があります。それぞれ特徴があるため、システムの内容をよく検討し依頼するとよいでしょう。
事業所から発生する古紙の分別区分
事業所から発生する古紙を自治体が回収する場合は分別区分が決まっていますが、古紙業者などが回収する場合は、古紙の排出量に見合った区分を考えましょう。
古紙の排出量が多い事業所は通常、新聞、段ボール、雑誌の回収を行っていると考えられますが、それらに加えてオフィスペーパーを回収品目にするとよいでしょう。
一方、古紙の発生量が少ない事業所では、発生量が多い古紙を基本とした分別区分を設定します。例えば、新聞、段ボールの発生量が比較的多いのであれば、新聞、段ボール、その他の3つの分別になります。
分別区分例
- 古紙の排出量が多い事業所
- 新聞、段ボール、雑誌、オフィスペーパーの4区分が考えられます。
- 新聞
- 段ボール
- 雑誌
- オフィスペーパー
- 古紙の排出量が少ない事業所(新聞、段ボールの発生量が比較的多い場合)
- 新聞、段ボール、その他の3区分が考えられます。
- 新聞
- 段ボール
- その他
禁忌品(製紙原料にならないもの)について
古紙を排出する際に製紙原料にならない禁忌品を混ぜないようにすることが大切です。その理由は、禁忌品が混ざると再生工程での機械トラブルや不良品の原因になるからです。禁忌品が古紙に混ざらないようにしましょう。
古紙再生促進センターの定める
主な禁忌品の例
事業所から発生しやすいもの
- カバンや靴などの詰物
- 詰物
- 昇華転写紙
- アイロンプリント紙
- 感熱性発泡紙
- 点字印刷物
- 臭いのついた紙
- 線香や柔軟剤の包装箱
- ろう(蝋)段
- ワックス付き段ボール
- 食品残渣のついた紙
- 食品を直接包装した紙
- シャンプーや化粧品サンプル
- 新聞のサンプル付折込チラシ
- 写真
- 印画紙
- シール
- 雑誌の付録など
- 圧着はがき
- 親展はがき
- カーボン紙
- 宅配便の伝票
- ノーカーボン紙
- 伝票
- 感熱紙
- レシート
- 合成紙
- 選挙ポスター
- ストーンペーパー
- 地図
- 青図(青焼き)
- 複写図面
- 防水加工された紙
- 紙コップ
- 箔押しされた紙
- 金・銀の折り紙
- アルミ加工された紙
- 酒パック
- 着色した果物類のクッション材
- 色の濃いもの
- 紙でないもの
- 不織布:マスク
- 紙でないもの
- 不織布:お手拭き
- 汚れた紙
- 使用済みキッチンペーパー
- 汚れた紙
- 使用済みティッシュペーパー
- 紙でないもの
- プラスチックファイル
- 紙でないもの
- CD・DVD類
- 紙でないもの
- ビニール
- 紙でないもの
- 石・ガラス・金属など
バインダー、クリップ、輪ゴム、付箋などは取り外しましょう。
事業所から発生する古紙の紙リサイクルに関する冊子・報告書のご紹介
古紙再生促進センターでは、事業所から発生する古紙をリサイクルするための情報をまとめた冊子や事業所から発生する古紙の回収量などを調査、取りまとめた報告書を作成しています。