紙リサイクルの社会課題と未来が見える
「オンラインセミナーシリーズ2022~2023開催」

Beyond 2024・中長期的課題整理に向けて

古紙再生促進センターは1974年の創立来、国民のリサイクルに対する意識の高さや、紙リサイクルに関わる全ての皆様のご支援の下、紙ゴミ問題、古紙余剰・不足の需給問題等々、時代時代の懸案に対して真摯に向き合い、解決に向けた様々な取り組みを実施してきました。

一方、人口構造の変化やデジタル化に加えて、コロナ禍により紙板紙の需要構造の変化が加速化する中、国際的な資源循環の枠組みも変化し、我が国の紙リサイクルは大きな転換期の渦中にあります。このような状況下、2024年に創立半世紀の節目を控える当センターは、次の時代を見据えた中長期的な課題整理に向けた検討も段階的に始めてまいります。

紙リサイクルは次の半世紀に向けて何をすべきなのか、何を目指すべきなのか、まずは2022年より、紙リサイクルへの影響が予想される今後の「社会動向・メガトレンド」をキーワードとしたオンライン・オープンセミナーシリーズの開催を広くステークホルダーにお声がけし、多くの方々と将来像を共有、それぞれの立ち位置で将来の紙リサイクルの課題をお考えいただけるようなヒント、風土、きっかけづくりを目指してまいります。

2024年・創立50周年に向けた古紙再生促進センターの取組イメージ

オンラインセミナー

第1回オンラインセミナー「人口減少・成熟社会のデザイン」

配信開始2022年3月14日

日本社会は高齢化、人口減少、脱炭素などに加え、コロナによっても多大な影響を被っていますが、社会環境の変化を俯瞰し、今後の課題や展望を考えていきます。

  • 00:0001 ご挨拶
  • 03:4802 新型コロナ禍をとらえる視点
  • 07:0403 現在という時代をどうとらえるか-日本社会における文脈
  • 19:3304 現在という時代をどうとらえるか-人類史的な文脈
  • 29:3005 AIを活用した、持続可能な日本の未来に向けた政策提言
  • 41:1206 分散型社会=持続可能な福祉社会のビジョン①:コミュニティとまちづくり
  • 55:2107 分散型社会=持続可能な福祉社会のビジョン②:ローカライゼーションと「生命」の時代
  • 01:02:4008 グローバル定常型社会の展望

講師広井良典(ひろい よしのり)

京都大学人と社会の未来研究院教授

1961年岡山市生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院修士課程修了後、厚生省勤務、千葉大学法政経学部教授をへて2016年より現職。この間2001-02年MIT(マサチューセッツ工科大学)客員研究員。専攻は公共政策及び科学哲学。『日本の社会保障』(岩波新書)でエコノミスト賞、『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書)で大仏次郎論壇賞受賞。他に『ポスト資本主義』(岩波新書)、『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社)など著書多数。

この間、教育再生懇談会委員、国土交通省・国土審議会専門委員、環境省・次期生物多様性国家戦略研究会委員、経済産業省・地域の持続可能な発展に向けた政策の在り方研究会委員、内閣府・選択する未来2.0懇談会委員等を務める。

第2回オンラインセミナー「リサイクルの国際化と古紙」

配信開始2022年4月15日

国際リサイクルが急速に拡大するなか、各国の再生資源の獲得競争や、相手国に環境汚染を生じさせる有害廃棄物の輸出など、さまざまな問題も起こっていますが、古紙も含めて国際リサイクルの実情、課題を解説いただきます。

  • 00:0001 ご挨拶
  • 00:1802 アジアに於ける循環経済への取組-各国の関連法制
  • 02:3203 ASEANの循環経済に関する取り組み
  • 03:5004 リサイクルの国際化をどう考えるか-再生資源がなぜ貿易されるか
  • 09:2105 アジア諸国の貿易依存度
  • 12:0606 循環経済と国境を越えたサプライチェーン
  • 16:5607 国際リサイクル・リユースをめぐる2つの立場
  • 23:2008 中国再生資源の輸入規制経緯、影響など

講師小島 道一(こじま みちかず)

アジア経済研究所新領域研究センター上席主任調査研究員

1965年生まれ.慶應義塾大学経済学部卒業,カリフォルニア大学バークレー校農業経済・資源経済学科修士号取得.1990年アジア経済研究所入所.一橋大学などで非常勤講師を勤める.2018年4月から2020年9月まで、インドネシア・ジャカルタの東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)に出向。専攻,環境経済学,資源経済学。

著書に『アジアにおける循環資源貿易』『アジアにおけるリサイクル』『国際リサイクルをめぐる制度変容』『国際リユースと発展途上国』(編著)、『国際協力ってなんだろう』(分担執筆)、『リサイクルと世界経済 – 貿易と環境保護は両立できるか』 (中公新書)など。

第3回オンラインセミナー「資源循環の将来を見据える」

配信開始2022年7月26日

社会環境の大変化を理解した上でのビジョン作りの要諦、更に我が国の資源循環・廃棄物分野の今後の課題、将来像や各地に於ける資源リサイクルや地方行政の実状を解説いただき、世界的なSDGs、サーキュラーエコノミーの拡大にいかに向き合うべきか、示唆に富むお話を通じて紙リサイクルの将来像作りへのヒントを探ります。

  • ①将来に向き合う
  • 00:0001 将来のライフスタイルの動向
  • 14:2802 デジタル時代で変わる「社会の運営」
  • 24:2203 ビジネス戦略の類型
  • ②資源循環・廃棄物分野の将来ビジョンの例
  • 29:1604 廃棄物資源循環学会による中長期課題検討
  • 42:4505 廃棄物資源循環分野に求められる研究
  • 56:1006 産廃振興方策
  • ③将来に向き合う、さらなるもう一歩
  • 1:03:0207 SDGs
  • 1:13:3108 サーキュラーエコノミー
  • 1:26:3909 日本の循環型社会の取り組みの構造的課題

講師田崎 智宏(たさき ともひろ)

国立環境研究所 資源循環社会システム研究室 室長

2001年横浜国立大学大学院工学研究科博士課程後期修了、国立環境研究所循環型社会形成推進・廃棄物研究センター研究員。2010年スウェーデン・ルンド大学国際産業環境経済研究所客員研究員。2011年東京大学大学院新領域創成科学研究科環境システム学専攻客員准教授を経て2015年より客員教授(2019年3月まで)。2013年より現職の室長となる。2021年より国立環境研究所社会システム領域を兼務、2022年より世界資源研究所客員研究員。

この間、中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会・座長、環境省・循環基本計画に関する指標検討会委員などを務め、廃棄物資源循環学会論文賞や環境科学会学術賞などを受賞する。

第4回オンラインセミナー「カーボンニュートラルな循環型社会の実現に向けて」

配信開始2022年10月18日

長年に亘る現場主義に根差した、ごみ削減等の環境教育研究をベースに、家庭ごみに視点を置いたプラスチック問題やSDGsとの関わりや、また地域活性化とのコラボレーション事例等も踏まえ、今後のカーボンニュートラル社会形成に向けての資源循環の在り方についても解説いただきます。

  • 00:0001 今日に至るキッカケ、研究視点
  • 11:2602 ごみ研究の原点「ごみ調査」
  • 20:3503 プラスチック容器包装と家庭ごみの推移
  • 31:2404 プラスチック問題と解決に向けた諸対応、課題
  • 39:0405 プラスチック問題への取組~京大プラ・イド宣言~
  • 48:3206 「ごみ」と社会変化
  • 55:2907 環境問題から視たSDGs
  • 1:05:3308 SDGs活動事例(小学校教育、中山間地域との連携等)
  • 1:15:2309 カーボンニュートラル社会に向けた資源循環の位置づけ

講師浅利 美鈴(あさり みすず)

京都大学大学院地球環境学堂 准教授

2000年京都大学工学部環境工学科卒業、2004年京都大学大学院工学研究科博士課程修了。2006年助教、2016年京都大学大学院地球環境学堂准教授。

専門は、環境教育論。所属学協会は、廃棄物資源循環学会、日本環境教育学会、大学等環境安全協議会、京都大学環境衛生工学研究会、3R国際学会(3RINCs)。

第5回オンラインセミナー「サーキュラーエコノミー(循環経済): グローバルトレンドのインパクト」

配信開始2023年2月14日

EUではグリーン・ディールや新サーキュラーエコノミー行動計画など、気候中立と循環経済の同時達成を目指す政策が進展しており、さまざまな戦略が打ち出されています。政府・民間による取り組みは国際的な潮流になりつつあり、長年に亘り循環経済の専門家としてご活躍の粟生木氏に解説いただきます。

  • 00:0001 はじめに
  • 02:3502 国際的な議論、グローバルリスク
  • 10:5003 サーキュラーエコノミー、実施のポイント
  • 13:5504 欧州連合(EU)の政策、行動計画
  • 24:1705 欧州のプラスチックや容器包装の動き
  • 26:3206 欧州の製品デジタルパスポート
  • 27:0207 国際社会動向、課題(フインランド、アジア、日本等)
  • 34:1208 グローバルトレンドのインパクト、今後に向けて

講師粟生木 千佳(あおき ちか)

公益財団法人地球環境戦略研究機関
持続可能な消費と生産領域 主任研究員/副ディレクター

2000年京都大学工学部卒業、2002年東京大学大学院工学系研究科修了(工学修士)。2007年政策研究大学院大学修了(国際開発学修士)。2002年-2005年(株)野村総合研究所にて研究員/コンサルタントとして、環境ビジネス・環境政策関連調査/コンサルティングに従事。2007年6月IGES入所。現職では、資源効率向上に向けた国際政策プロセス支援、関連政策研究、資源生産性指標をはじめとした持続可能性指標の政策応用に関する調査研究を行っている。東洋大学非常勤講師(前期)

第6回オンラインセミナー「循環経済で果たす紙の役割」

配信開始2023年3月20日

世界的な循環経済、カーボンニュートラルの流れの中で、我が国の紙リサイクルも大きな岐路に直面しています。その目指すべき将来像について、環境経済学の国内における先駆者として紙リサイクルは元より様々な資源の循環利用に関わる研究を通じたご見識をもとに、示唆に富むお話をいただきます。

  • 00:0001 はじめに・循環経済分析との出会い
  • 14:5502 循環経済の中での古紙
  • 25:4803 循環経済へ向けての歩み
  • 35:1804 循環経済の概要と実現への道筋
  • 47:4505 カーボンニュートラルと古紙
  • 56:3506 カーボンニュートラル実現のための協働
  • 1:04:3407 古紙の未来・高付加価値化」というキーワード
  • 1:15:4908 紙の利用におけるベストミックスの模索
  • 1:23:0009 おわりに・新たなる連携、協働へ

講師細田 衛士(ほそだ えいじ)

東海大学副学長、政治経済学部経済学科・教授
慶應義塾大学名誉教授
中部大学学事顧問、名誉教授

1979年慶應義塾大学経済学研究科修士課程修了(経済学修士)、同年慶應義塾大学経済学研究科博士課程入学、1982年同課程を規程単位取得により退学、1983年~1985年英国マンチェスター大学にブリティッシュ・カウンシル・スカラーとして留学、2008年博士号(経済学)取得。

1980年慶應義塾大学経済学部助手、1987年同学部助教授、1994年同学部教授、2001年同経済学部長。2018年中部大学創発学術院客員教授。2019年より 中部大学経営情報学部教授、慶應義塾大学名誉教授。2020年より同経営情報学部長。2021年より中部大学副学長を経て、2022年4月より東海大学副学長、政治経済学部経済学科教授、中部大学学事顧問、名誉教授。